仁川でFinal Callー中央アジアの旅・プロローグ(2)
プロローグが前編後編に分かれる旅行記など見たことがない。
いや、そもそも旅行記をあまり読まないのだが。
しかし、それくらい今回の旅は始まりまでに多くの困難があったということである。
許してほしい。
飛行機出発1時間前。
成田空港に到着するバスに乗れない可能性が大になるという、絶望の淵に立たされた。(詳しくはプロローグ(1))
しかし、まさに蜘蛛の糸とはこういうことか、
バスの乗車列が動き始めた瞬間、丁度目の前にいた親子が、何を思ったか考えたか知らないが、その場を離れたのである、、、!
奇跡としか言いようがない。本当に奇跡である。
感涙。親子よ、ありがとう。
(ディズニーのファストパス的にバスを事前予約して列に並ばずに優先して乗車できる客がいなかった為、結果的にはその親子がいてもいなくてもバスには乗れたのだが)その後は予定通りに成田空港に到着し、チェックイン、各種手続きも何とか間に合わせることができた。神がかり的に物事が進んでいって、ここでようやく一息つくことができた。飛行機の機内食がなぜか野菜だけだったのは困惑したが。
しかし、まだ波乱は終わっていなかった。
仁川で最後の一人に
東京からウズベキスタンまで向かう際には基本的に韓国・仁川経由か、ロシア経由になるのだが、今回はたまたま安い便を見つけることができた前者を選択した。
ロシア・ウラジオストク経由で行った友人の話を聞く限りでは、この選択は間違いではなかったようだ。何にせよこの仁川空港、一昨年まで空港サービス評価で世界一位を取っており、去年はシンガポールのチャンギ空港に抜かれるものの依然二位にランクインしている程の実力者なのである。
それゆえ空港内設備が非常に充実しており、寝床は選ばなければ割とすぐに見つかるし、シャワーは無料で使えるし、端的に言えば最高であった。
しかしここで余裕をぶっこいてしまったのがアダとなった。
仁川発ウズベキスタン・タシケント行きの航空券は10:10発だったので、まあ「普通に考えれば」9時半くらいに搭乗口に向かえばまあ大丈夫だろうと思って、少し仮眠を取った。
普通の波乱ならば、ここで寝過ごしてしまうことで間に合わなくなる流れだろうが、一味違う。きちんと、9時半には起き、35分には搭乗口に向かって歩き始めたのだ。しかも迷わず、である。
その時ははっきり言って、余裕綽々だった。
「普通に考えれば」10:10の30分前、即ち9:40が搭乗時間だと思っていたからである。
そう、「普通に考えれば」である。
9:40分ごろ、もう搭乗開始になっているかな、もしかすると搭乗口で少し待たないといけないかもしれないかなと軽い気持ちで、ふと電光掲示板に目を向けた。
そこには思いも寄らない文字が書いてあった。
"Final Call"
時を同じくして、慌てた様子の韓国人空港スタッフに呼び止められた。
"〇〇〇〇(名前)!? Tashkent? Hurry up!!! You are the LAST person!!!"
どうしてこうなったか。
原因は、「”日本の感覚で”普通に考えれば」出発30分前に設定されがちな搭乗開始時刻が、今回の場合は出発50分前に設定されていたことにある。
確かに予想外と言えば予想外なのだが、しかしチケットには確かに"Boarding Time 09:20"と書いてあった。
完全なるチェック忘れである。
前日までの波乱を超えて、気持ちが緩んでしまっていたのがいけなかった。
嗚呼。
将来の自分よ、これらの過ちが今後の旅に生かされることを祈っています。
明日からまともな旅行記書き始めます。