はざまを彷徨う

世の中の境界とそのワクワク感についての個人的雑感

典型的ミャンマーと秘境的ミャンマーの混ざり目、カレーミョ(Kalaymyo)ーミャンマー・インドの旅(7)

 

マンダレーから国境を超えてインドのアイゾールに到達するまでの記録は既に英語で下の記事にまとめましたが、日本語でより詳しく振り返っていきたいと思います。

 

borderpass.hatenablog.com

 


 

17時間の決して快適だったとは言えないバス旅を経て到着した街、カレーミョ。地域区分としてはザガイン州に属する。

同じく山岳地域にある隣のチン州北部への物資供給、そしてインドとの交易を行う上での拠点となっている、僻地系ではミャンマーでも有数に大きい街である。

それゆえ、ミャンマーからインドへと抜ける際、

  • アジアハイウェイ一号線のルートに沿う形でザガイン州のTamuへと向かう場合
  • 悪路の山を超えてチン州のRihkhawdarへと向かう場合

いずれにおいてもこのカレーミョをほぼ確実に経由する。

ただし、Tamuへと向かう際、基本的にマンダレーから同じバスで行く事ができる為、カレーミョを経由すると言っても、しばしの休憩を兼ねた客待ち程度だと思われる。

その一方で、Rihkhawdarへ行く際には、バスではなく乗り合いバンへと乗り換えなければならない。そしてその乗り合いバンは原則前日予約制である。恐らくその辺のガバナンスは緩いと思うので、当日にバスターミナルへ行って予約する事ももしかすると可能なのかもしれない。ただ、バンは朝7時半から8時くらいに出発してしまうので、バスが順調にカレーミョまで到着したとしても、当日予約にチャレンジできるそもそもの可能性自体はそんなに高くないような気がする。

 

何れにしても自分の場合は腐る程に修理が繰り返されながらカレーミョに到着した(昨日の記事参照)ので、カレーミョの街で一泊する事が強いられた。

 

と言っても、普通に予定通りだったのだが。

 

(昨日の記事↓)

borderpass.hatenablog.com

 

さて、問題は宿探しである。

 

Trip Advisorで探したところ、まともに予約できそうなところは一軒しか見つからず、しかも4000円弱。貧乏旅にとっては尋常じゃない痛手である。ただ、他のブログ等を確認した(カレーミョまでは比較的情報がある)ところ、20ドルや15ドルという情報も散見されたので、とりあえず予算を15ドルに設定した上で宿探しを開始した。

 

  • Hotel GBH Kale
    Trip Advisorで予約こそできないものの一応掲載はされていたGBH Kaleにとりあえず行ってみた。が、外観からして高そうだ。まともな駐車場も備え付けられていたし、ここは一旦スルーさせていただくことに。
  • LC Hotel
    GBH Kaleから直進していくと、若干ランクが低そうな宿を見つけた。ランクが落ちると言っても、かなり新しめではある。試しに入ってみると、愛想のいい、英語のできる女性がフロントで出迎えてくれた。料金は20ドル。一応まあ予算内と言えば予算内なのだが、15ドルがあるはずなのでとりあえず保留した。
  • SK Hotel
    LC Hotelより先はあまり大きな宿も無さげだったのでUターンして再びバス停近くまで戻って三件目。中に入ってみるとLC Hotelよりもやや繁盛していた。上半身裸の中年男性がフロントにいたので値段を聞いてみると15ドル。ようやく見つけた15ドルだったが、繁盛&上裸に圧倒されて一旦保留。
  • Shin Hong Hotel
    SK Hotelの50mほど先にある、バスターミナルで紹介された宿。Googleでのレビューでも外国人のものがいくつかあったので、できたらここが良いなと目星をつけていた宿でもあった。しかし、料金を聞くと20何ドルとか言う。さすがに高すぎるのでSK Hotelに戻ろうとしたら、オーナーに止められる。SK Hotelが15ドルだったのでそちらに向かうと言ったらすんなり15ドルまで下げてもらえた。何故か知らないがその素っ気ない値下げに何となく気を良くしてしまった自分は、すんなりこの宿に決めた。

 

Shin Hong Hotelは、この胡散臭い値引き交渉の割にかなり良い宿だった。15ドルのシングルだが、薄型TVに冷蔵庫、最新のエアコンも付いていたし、ベッドも綺麗。シャワーもお湯が出るし、朝食もまあまあ美味しかった。もっと安い宿もあったのかもしれないが、普通にバックパッカーにもお勧めできる宿ではある。

 

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Shin Hong Hotel 外観

 

宿でしばし休憩を取ったのちに街ブラを開始する。事前情報によれば、そこまで目星い観光スポットなどはないとのことだったが、まさしくその通りで、本当にただの街である。ミャンマー北西部の一大拠点なだけあって空港もあるのだが、空港と言うよりは飛行場に近く、わざわざ見に行く価値があるものでもなかった。

 

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カレーミョのメインストリート

そんな中で唯一、「ミャンマーらしくなさ」という意味で惹かれたのは、そこら中にキリスト教会がある点である。ネット情報によれば、どうやらインド・ミャンマーがイギリス統治下となる数十年前から宣教師が訪れ、キリスト教の布教が始まったようで、カレーミョ周辺から西部、チン州やインド・ミゾラム州の山岳少数民族ゾミ(ミゾ)族の多くはキリスト教を信仰している。(詳しくは下のサイト(英語)等が詳しい)

 

joshuaproject.net

 

ミャンマーは言わずもがな仏教徒がマジョリティである。それゆえ、クリスチャンが多いチン州は以前より差別の対象となってしまっていた。が、最近の民主化への傾向もあってか、ヤンゴンでもクリスマスが盛大に祝われるなど西洋文化が浸透し始めており、少なくともムスリム少数民族であるロヒンギャ族よりは状況が改善されつつある、ようだ。(詳しくは下の記事)

 

www.kirishin.com

 

これらの情報は帰国後にしっかりと調べ直して初めて知ったことなのだが、我ながら、貴重な文化圏に入っていたのだな、と改めて実感させられる。

 

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協会(1)

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協会(2)

と言っても、目星い独特な差異は教会くらいだった。

日も暮れ始めたので、早めに宿に戻ることに。チン州に入ってからの金銭的余裕をどれくらい持っておくべきなのかイマイチ掴めきれなかったので、非常食がわりに持ってきていたインスタント麺で夕飯を済ませる。

 

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ケーブルテレビではサッカーやクリケットが放映されていた。CMがインドのもので、段々とミャンマーから離れていっていることを実感した。

 


 

明日からは、外国人の入境が依然解除されてない地域が存在する、未開の地・チン州についてまとめていきたいと思います。