はざまを彷徨う

世の中の境界とそのワクワク感についての個人的雑感

チベットと中国の狭間に、成都ー中央アジアの旅・エピローグ(1)

 

 

早朝発の便までクッション性皆無の木椅子で耐えに耐え、何とか帰りの空路に。

今日からは中央アジアの旅のエピローグとして、

  • 中継地の四川省成都
  • 日本到着後、水没iPhoneの結果等
  • 今回の旅の総振り返り

についてまとめていきたいと思います。

 

(ウルムチの空港までは下のブログへ)

borderpass.hatenablog.com

 


 

 

コスパは最高だが、〜四川航空〜

今回の帰路は「ウルムチ→蘭州でトランジット→成都→東京」という構成で、全て四川航空の運行である。

 

この航空会社、コストパフォーマンス自体はかなり高く、LCCよりも若干高い値段クラスでナショナルフラッグ級のサービスを受けられるのだが、所々にボロがある。

 

中でも一番困ったのは、客室乗務員に対して英語がほとんど通じないことである。

 

特に、国際線の成都→東京で「Coke」と二回も言って豆乳が出たのは謎でしかない。

可口可乐(kě kǒu kě lè)と発音しないとコカコーラは出てこないのだろうか。

それとも単に自分の発音と声量が全くもってダメダメだったのだろうか。

謎である。(注ぎ直してもらうのは面倒なので、ありがたく豆乳を頂いた。)

 

パンダと三国志四川料理の街・成都

今回は成都で一泊してから東京に帰るというルートを設定した。

成都はかなり名物が多い。有名どころは見出しの通り、パンダ・三国志四川料理の三つだろうが、如何せん自分はどれにも興味がない。

パンダは確かに観れるものなら観たい気もするが、かと言って積極的に旅の目的にするものではない。

三国志はまず三人の武将の名前を知らない。

四川料理は辛過ぎて食べられない。

(ウルムチで食べた青椒肉絲が激辛過ぎて治りかけていた水下痢が再燃して以来、トラウマが激化した。)

そのような興味関心の薄さに加え、訪れた日はほぼ一日中雨が降っていた為、基本的に宿の周りをぶらぶらして過ごす他なかった。

 

宿

今回の成都の旅の一大拠点となった宿からまず紹介したい。

名前は「Holly's Hostel」、中国名は成都九龙鼎青年客栈である。

www.booking.com

 

場所は成都の一大観光地の一つである「武侯祠」や「錦里」の近くであり、言ってしまえば観光ストリートの中にある安いドミトリーなので、宿の周りしか探検できなくとも十分成都を味わえるような場所にある。

しかし、その分人気が高いようで、

「事前に到着予定時刻を伝えなかったら、7時以降その予約を宿側が勝手にキャンセルするアルよ」

という謎の脅し文句(英語)がメールで届くレベルである。

 

宿への行き方は、「武侯祠」や「錦里」を目印に、地元の人に聞くなりしながら成都を彷徨えば辿り着くこともできるが、地下鉄を使って最寄駅「高升橋」まで来るのが最も無難なルートであろう。

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成都地鉄・路線図。宿への最寄駅は高升橋で、歩いて10分ほど。

引用:

成都地铁,生活一脉! - 成都轨道集团官方网站

 

宿への不満は、同部屋の中国人のマナーである。

シャワーからびしょ濡れのままパンツ一丁で部屋を水浸しにしたり、長電話に馬鹿でかい屁、いびきなどの騒音地獄に悩まされた。

 

が、これは今まで訪れた中国の全てのドミトリーに共通することなので諦めるしかない。

 

中国のドミトリーに泊まると寛容な心を持つことの大切さを半ば強制的に学ばされることとなる。

 

「武侯祠」と「錦里」

成都らしい観光地はこの二つしか訪れていないが、ウルムチと違ってTHE中国という風景を複雑な心情なしに楽しむことができた。

ここは写真ベースで紹介していきたい。

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武候祠にある趣深い池

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どうやら耳掻きが名物らしいが、結構なお値段だった

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錦里の入口近くにはスタバも

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武候祠は三国志諸葛亮劉備などを祀っているらしいが、イマイチピンとこない

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錦里は夜に来た方がライトアップが綺麗でオススメです

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秘技「変面」の聖地ゆえ、夜になると変面ショーも頻繁に行われている。

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錦里から出てくる客用なのか、大量の三輪車が出口に待ち迎えているが、この辺りは昔抱いていた中国の雰囲気を醸し出している。

チベットへの玄関

成都という街は知る人ぞ知る東チベット訪問の際の一大拠点である。

中国の民族問題でメディアにしばしば取り上げられるチベット自治区は現地ツアーガイドが必須なのだが、その隣にはガイド無しで訪問可能な東チベットがあり、成都雲南省昆明などがバスの予約や情報収拾の拠点となる。

 

さらに運が良かったのが、今回泊まっていたHolly's Hostelのすぐそばにチベット街が拡がっていたことである。そこは明らかに「武侯祠」や「錦里」とは違い、神聖な雰囲気を醸し出し、そしてその分公安による監視も多い異質な空間であった。

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漢字とチベット文字が混ざり合う看板

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このエリアに限ってはチベット僧も街を歩いている

 


 

今回はただの中継地点に過ぎなかったが、もし次来る機会があれば十分な時間をとってチベットの方にも足を伸ばしてみたいと思えた。

 

中国は行けば行くほど魅力に満ちた国であると実感させられる一日であった。